御堂筋沿いに鎮座する難波神社。
心斎橋エリアのブランドショップから少し北の方に、難波(なんば)神社という社が佇みます。住所は大阪市中央区博労町ですが、昔はこの辺りを上難波荘と言いました。
難波神社。
オフィスビルの建ち並ぶ一角に鎮まります。
難波神社の神紋は菖蒲(あやめ)です。
難波神社の御祭神であられる仁徳天皇が病気になられた時、枕元に邪気を払う菖蒲を置けば全快するとの神のお告げを聞き、その通りにしたところ、無事にその病気が治ったとの逸話が残されています。
御堂筋沿いに建つ難波神社の鳥居。
毎年6月3日には、巫女が花菖蒲を刈り取り神様にお供えする「菖蒲神事」が催されます。
鳥居の左脇に観音様がおられました。
難波神社は大坂三十三所観音巡りの第32番目の霊場にもなっています。
近松門左衛門の名作「曽根崎心中」では、お初・徳兵衛が大坂の有名な三十三か所の観音様を巡ってから心中するという件が出てきます。難波神社には神仏習合の影響から観音様も祀られており、その32番目に当たる社というわけです。
難波神社は文楽発祥の地とも言われています。
二代目文楽軒が難波神社の東門内に小屋を設けて大変な評判を得たことに端を発します。今では文楽が人形浄瑠璃の代名詞のようになっていますよね。
難波神社の御祭神は仁徳天皇です。
歴史を紐解けば、難波神社のある上難波荘と今の難波に当たる下難波荘は共に、源頼朝公より寄進されています。上難波には主祭神の仁徳天皇とお稲荷さんを祀り、下難波にはスサノオノミコトを祀る一つの神社でした。
難波神社の絵馬。
仁徳天皇は大阪に初めて都を置いて、大阪の街を発展させた功労者でもあります。
大阪府堺市には、世界最大規模の陵墓があることで知られます。
難波神社と仁徳天皇は切っても切れない深い関係で結ばれています。