大阪のお寺を参拝する。
大都会の大阪府下にも、おすすめの神社仏閣が幾つか存在します。
近鉄藤井寺駅近くにある聖徳太子ゆかりのお寺~野中寺をご案内致します。
野中寺の仁王像。
聖徳太子にまつわるお寺と言えば、法隆寺や橘寺などの奈良のお寺を想像しますが、ここ大阪府羽曳野市野々上にも聖徳太子発願のお寺があります。
寺の名前は野中寺(やちゅうじ)。
交通量の多い十字路脇に建っています。
野中寺の山号は青龍山で、中の太子という別名を持ちます。
なぜ中の太子と呼ばれているのか?
野中寺は河内三太子の一つに数えられます。
中の太子とは、上の太子(かみのたいし)と下の太子(しものたいし)を結ぶ線上の、ちょうど中間点辺りに野中寺(中の太子)が位置していることにちなみます。
南河内郡には聖徳太子のお墓があると伝わる叡福寺(えいふくじ;上の太子)が、八尾市には聖徳太子古戦場の大聖勝軍寺(たいせいしょうぐんじ;下の太子)が佇みます。
門の脇には「大界外相」の標石が建ちます。
東大寺戒壇院の近くでも見た大界外相の標石。心身ともに糺してお寺の中に足を踏み入れます。
野中寺本堂。
門を入って真正面に佇みます。
ご本尊の薬師如来様は、この本堂内に安置されています。
毎月18日に公開される人気の弥勒菩薩半跏像の陰に隠れがちではありますが、野中寺のご本尊は薬師如来像なのです。野中寺は西国薬師四十九霊場の第十四番札所に指定されています。
野中寺の塔跡。
門を入って左側に礎石の跡が広がっていました。
野中寺旧伽藍跡は国の史跡にも指定されています。
発掘調査の結果、西暦650年頃に法隆寺式のお寺が建てられていたことが判明しています。
屋根瓦の三つ巴文様。
神社仏閣の屋根瓦でよく見かける文様ですが、この三つ巴のデザインは水を表しているようですね。防火の願いを込めた”まじない紋”として広く利用されています。
寺社で見かける龍も、水を司る神として崇められていると聞いたことがあります。
ヒチンジョ池西古墳石棺。
本堂向かって左手前に展示されていました。
奈良と大阪を隔てる二上山から切り出された凝灰岩を加工して作られているそうです。
野中寺の宗派は高野山真言宗。
アクセスは近鉄藤井寺駅から循環バスで5分、「野々上」バス停下車となっています。駅から徒歩でアクセスする場合は15分強ぐらいを要するでしょうか。左側に広がる仲哀天皇陵を感じながら、住宅街脇の車道を真っ直ぐに歩いて行きます。
拝観料は毎月18日の弥勒菩薩半跏像公開日のみ300円となっています。