澪標(みおつくし)とは、通行する船に通りやすい深い水脈を知らせるために立てた杭のことです。
なにわの海の時空館の近くで見つけた澪標。
大阪は水の都と言われます。
大阪市の市章は、この澪標なんだそうです。
澪標って難しい言葉ですよね。
難読漢字の範疇に入るのではないでしょうか。
みおつくしの「澪(みお)」は「水脈」とも書きます。
河や海の中で、船の通行に適する底の深い水路のことを意味します。
「澪標」は「澪」の「標(しるべ)」と書きますよね。
標(しるべ)は現在でもよく使われる”道しるべ”のしるべのことです。
澪標の語源をたどっていくと、「澪の串」というのが本来の意味だそうです。
澪に刺さっている串ということでしょうか。
大阪市の市章。
確かに澪標ですね。
澪標は昔の歌の中では、「身を尽くし」に掛けて使われていました。
なんだか深い歴史を感じますね。
澪標は海上のルート案内に使われていました。
陸上では道標(みちしるべ)になるわけですが、まだ文字が生まれていなかった時代の道しるべは「枝折り」だったといいます。
「枝折り」と書いて「しおり」と読みます。
そう、今の栞のことですよね。
本に挟む栞(ブックマーク)だったり、旅行案内書の旅のしおりだったりします。
昔の人は旅をする際、後続の人に行き先が分かるように枝を折りながら進んで行ったようです。
陸の「しおり」に海の「みおつくし」・・・
どちらも風情が感じられていいですよね。
趣味の養蜂昆虫、花の世界には、澪標の「つくし」が、あの春先に顔を出す「土筆(つくし)」にも通じているという記事が出ています。
海に刺さる杭のように、土筆も地上から真っすぐ上に向かって伸びていますからね(笑)
海岸線沿いに立っている澪標。
この澪標は大阪ベイエリアの咲洲にあります。
海の向こうには舞洲やUSJ、海遊館なども望めます。
実際に海に立てられているときの水深は、船が安全に通れるぐらいですから、相当深かったものと思われます。
そうすると、実際の澪標も相当縦に長い物だったんでしょうね。